プレスリリース

建設業界の施工管理職、設計職を対象としたコロナ禍での働き方の実態調査を実施

2020年08月03日

株式会社アーキ・ジャパンは、施工管理職、設計職の方を対象に、コロナ禍での働き方の実態調査を実施しました。

各業界で影響を与えている、新型コロナ(COVID-19)。
建設業界においても、工期の遅れ、延期など様々な影響を及ぼしていると言われています。

今回は、施工管理職や設計職といった、現場を管理(監理)するポジションに就く方のコロナ禍の働き方に注目し、現場への影響、テレワーク導入の方向性、さらにはICT化について、これまでの動向を踏まえた調査結果を発表致します。

 

▼本件の調査ポイント

・建設業界の施工管理職、設計職を対象に、コロナ禍における働き方の調査を実施

・調査1:新型コロナによって起きた業務上の変化と現場での感染対策方法
・調査2:テレワーク化された業務とテレワーク化されていない業務
・調査3:テレワーク化によって働き方で改善された部分
・調査4:今後予想される現場の変化
・調査5:今後のICT化への考えとICT化に期待すること

 

調査1:新型コロナによって起きた業務上の変化と現場での感染対策方法

「新型コロナによって起きた業務上の変化を教えてください(複数回答可)」という質問に対し、『工事の中止・工期の延期(48.2%)』と半数近くの方が回答しました。
次いで、『打ち合わせや会議の中止・延期(37.0%)』『資材の納期遅延(35.8%)』『工事のキャンセル(33.7%)』と続きました。

新型コロナの感染拡大により、現場作業での遅れが生じていることが伺えます。

「新型コロナによって現場ではどのような感染対策を取るようになりましたか?(複数回答可)」という質問に対しては、『マスクの着用(67.1%)』『手洗い・うがいの徹底(55.4%)』『手などのアルコール消毒の徹底(47.0%)』といった回答が上位を占める結果となりました。

その他にも、『3密を避けた人員配置(39.5%)』や『フェイスシールドの着用(30.2%)』といった回答も上げられました。

新型コロナの感染拡大を受けて、建設現場において徹底した感染対策を取っていることが伺えます。

 

調査2:テレワーク化された業務とテレワーク化されていない業務

新型コロナの感染拡大により、テレワークといった働き方が注目されるようになりました。
建設業界の施工管理職や設計職においてテレワーク化された業務、されていない業務をそれぞれ調査致しました。

 

■テレワーク化された業務

・施工計画や取引先との情報共有(30代/女性/愛知県)
・現場に出なくとも良い予算作成や工程表管理(30代/男性/福岡県)
・工期管理の打ち合わせ(40代/男性/東京都)
・建設現場における監督業務(40代/男性/宮崎県)
・打ち合わせや事務処理(50代/男性/千葉県)

 

■テレワークされていない業務

・会社にある資料確認や経費精算(30代/男性/東京都)
・現場作業や監督巡回など(40代/男性/愛知県)
・現場の立ち会いなど(40代/男性/東京都)
・現場管理や安全管理など(40代/男性/愛知県)
・秘密の保持が要求される書類作成など(50代/男性/北海道)

テレワーク化された業務として、打ち合わせや事務処理といった現場に出なくても良い業務が上げられたことから、現場での作業は、テレワーク化が難しいことが予想されます。

 

調査3:テレワーク化によって働き方で改善された部分

新型コロナの感染拡大により様々な業界でテレワーク化が進められました。テレワークは、政府が推進している「働き方改革」においても重要な位置づけだと言われています。

そこで、新型コロナによりテレワークを経験した施工管理職、設計職の方へ残業時間の変化や働き方で改善された部分を調査したところ、次のような結果が明らかになりました。

「業務がテレワーク化したことで残業時間は減りましたか?」との質問に対し、6割以上の方が『減った(62.6%)』と回答しました。

建設業界の課題として、度々ニュースなどで取り上げられている「残業時間」。
テレワーク化によって、その課題が解決されるのかもしれません。

「テレワークによる働き方で改善された部分を教えてください」との質問に対し、『移動の負担が減る(44.1%)』『残業時間が減少する(24.3%)』『事務作業の効率が上がる(16.3%)』といった回答が上位に上がる結果となりました。

テレワーク化により、様々な場面で働き方が改善されたと感じているようです。

 

調査4:今後予想される現場の変化

「今後、現場にどのような変化が起きると思いますか?」という質問に対しては、『現場管理のリモート化(30.7%)』『人員配置の見直し(27.1%)』『デジタルツールの導入(25.0%)』『人手が必要な業務の負担軽減(14.4%)』という結果となりました。

施工管理職、設計職の方の今後、現場で起きると思うことが明らかになりました。
現状では、テレワーク化が難しい業務においても、リモート管理などの変化が生じると予想していることが伺えます。

 

調査5:今後のICT化への考えとICT化に期待すること

働き方改革を進める中で、建設業界ではICT化を進める動きが起きています。
ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称で、IT技術の中でもコミュニケーション・情報共有の技術を中心に指す言葉です。

建設業界でICT化が進むことで、業務の効率化や人手不足の解消、生産性の向上を目指すことができると言われています。

「今後のICT化についてどのように考えているか教えてください」という質問に対し、半数以上の方が『進めてほしい(52.3%)』と回答しました。

具体的にどのようなことをICT化に期待するのかという質問に対しては、『業務プロセスの効率化(32.8%)』『業務の省力化(29.5%)』『人材不足の解決(24.8%)』『コストの削減(11.4%)』という結果になりました。

ICTの技術を活用することで、業務プロセスの効率化や業務の省力化が起こることへの期待値が高いことが伺えます。

 

総括

今回の調査で、施工管理職や設計職に就く方のコロナ禍での働き方の実態が明らかになりました。
新型コロナにより、現場では『工事の中止・工期の延期』や『打ち合わせや会議の中止・延期』といった変化が起きているようです。

また、テレワーク化に関しても、現場が関わってくる業務はまだテレワーク化されていないといった実態が明らかになりました。

しかし、テレワーク化により残業時間が減るなど、働き方改革が一部起きているようです。
今後テレワーク化により現場での業務においても様々な変化が予想されています。

これからの時代、テレワークやICT化といった動きが起きることで、施工管理職や設計職の方にとって働き方は今よりも負担が削減されていくのかもしれません。

 

詳しくは、こちらをご覧ください。